愛犬家にとって旅行時に重宝するのがペットホテルです。愛犬だけで留守番させるときの不安を軽減できるので、旅行シーズンになると特に需要が高まります。
ただし、「ペットホテルに預けるのはかわいそうでは?」「ストレスが心配」などの懸念も。預けるときの飼い主・愛犬の不安を解消するコツをご紹介します。
ペットホテルに愛犬を預けるのは本当にかわいそうなの?
犬の性格にもよりますが、ペットホテルに預けることが必ずしもかわいそうというわけではありません。
ペットホテルに預けることで生じるデメリットもあれば、メリットもあります。
ストレスを感じる可能性
短期間とはいえ、愛犬にとっては、住み慣れた家と違う環境でしばらく過ごすことになるので、ストレスを感じる可能性があります。
また、宿泊中にフリースペースなどでほかの犬と交流する機会があると、稀にほかの犬とトラブルを起こすケースも。
こうしたトラブルが不安な場合は、専用の遊び場がついた個室のあるペットホテルなどを利用するのも1つの手です。
家で留守番させるより安心
慣れない環境によるストレスが懸念されるものの、急に体調を崩したり、戸締りが不十分で脱走してしまったりする可能性を考えると、家で留守番させるよりはペットホテルのほうが安心です。
ペットホテルのスタッフは動物慣れしていますし、病院と提携しているペットホテルもあるので、体調不良になっても治療してもらえます。1匹だけで家で過ごさせるよりは、愛犬の安全を確保できるでしょう。
ペットホテルで愛犬が感じる不安や気持ち
ペットホテルは便利な一方で、愛犬が感じる不安や気持ちも無視はできません。特に、はじめて利用する際は、どのような要素が愛犬にとって不安やストレスになるのかを知っておきましょう。
環境や生活リズムの変化
住み慣れた家とは違う場所で一定期間過ごすとなると、どうしても普段どおりとはいきません。
環境や生活リズムなどの変化にうまく順応できず、ストレスを感じてしまう犬もいます。そういった場合に心配なのは、ずっと鳴き続けたり、自分を噛むなどの自傷行為をしたりするリスクです。
自傷行為の程度によってはケガにつながる可能性もあります。愛犬の異変にすぐ対応してもらえるよう、スタッフの数が多く、見守り体制が十分なペットホテルを選ぶようにしましょう。
飼い主と離れる寂しさ
環境や生活リズムの変化ももちろんですが、甘えん坊で普段飼い主にべったりな犬だと、飼い主と離れることが大きなストレスや不安になる可能性があります。
特に飼い主と24時間以上離れたことのない犬は、不安を感じやすいです。なかには「捨てられた」と勘違いしてしまうケースもあります。不安から食事や排泄ができなくなるリスクもあるので、寂しさを感じさせない対策がマストです。
ペットホテルを選ぶときの後悔しないポイント
大切な愛犬を預けるなら、ペットホテルはしっかり吟味しましょう。
以下のポイントを中心に、公式サイトや口コミなどでリサーチするのがおすすめです。
清潔感・安全性・サービス
まずチェックしておきたいのが清潔感。ペットホテルでは複数の犬や猫を預かっています。においや、排泄物がこまめに片づけられているかどうかは清潔さを確かめる上でチェックしておきたいポイントです。
万が一体調不良やケガが起きた場合、すぐに動物病院に連れて行ってくれるかなど、緊急時の対応も確認しておけば安心です。さらに、ワクチンの接種証明の提出を義務づけているところなら、感染症の心配も少なく済みます。
愛犬だけではなく、飼い主の満足度も重要なポイントです。営業時間が長く、トリミングや送迎サービスが充実しているペットホテルであれば、お迎えもしやすく快適に利用しやすいでしょう。
ワンストップでは、送迎専任のスタッフが在中しておりますので、お客様のご都合に合わせた柔軟な送迎サービスが可能です。ご興味のある方はお気軽にお問合せください。
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スタッフの質や経験
動物に関する資格を持っているスタッフや、経験豊富なスタッフがそろっているペットホテルは信頼性が高いといえます。
経験だけではなく、動物に接する姿勢なども重要です。例え短期間でも、愛犬を大切に扱い、可愛がってくれる人のほうが安心して出かけられます。
ケージの広さ
2022年6月の動物愛護法改正により、ペットホテルなどにおける犬猫のケージの広さが定められました。
- 犬:タテ(体長の2倍以上)×ヨコ(体長の1.5倍以上)×高さ(体高の2倍以上)
- 猫:タテ(体長の2倍以上)×ヨコ(体長の1.5倍以上)×高さ(体高の3倍以上)
※猫については1つ以上の棚を設け2段以上の構造とする
参考:環境省|動物取扱業における犬猫の適正な飼養管理に係る基準省令の概要
中型犬や大型犬ではかなり広いスペースを必要とするため、法律を遵守して対応できるペットホテルは限られています。
ペットホテルを選ぶ際には、愛犬の大きさにあったケージの広さがあるか確認しましょう。
個々のペットのニーズに対応できるか
同じ犬種でも、食事の好みや性格などはまったく異なります。ほかの犬との交流が苦ではない犬もいれば、人見知りで、ほかの犬がいるとストレスを感じてしまう犬もいます。
愛犬が少しでも快適にペットホテルでの時間を過ごせるように、トイレやフードの持参が可能かなど、個々のペットの特徴にあった対応をしてもらえる臨機応変さもチェックしておきましょう。
個別で対応してもらいたいことがあれば、予約前に電話やメールで問い合わせて、どこまで対応してもらえるのか相談してみると確実です。
ペットホテルの不安や心配をケアする方法
ペットホテルでも、預かった犬や猫になるべくストレスを与えないように配慮してくれますが、飼い主のほうでもできる限りのケアをしておきましょう。
自宅でできるトレーニングについて解説しますので、参考にしてみてください。
ハウストレーニング
はじめてペットホテルを利用するなら、犬がケージやクレートなどで落ち着いて過ごすためのハウストレーニングはマストです。
ペットホテルでは、基本的にケージで過ごすことになります。「ケージは安心できる場所」と教えておきましょう。
トレーニングの流れとしては、まず自宅にケージやクレートなどを置いて室内にハウスがある環境に慣れさせることからはじめます。おやつなどのご褒美を使い、自分からケージに入ってくつろげるようになるまで、くり返しトレーニングしましょう。
距離感を意識
普段から距離感を意識することも大切です。家で常に抱っこしていたり、ずっと見守っていたりと、距離が近すぎる接し方は犬も飼い主もお互いが依存した状態になってしまうリスクがあります。
とはいえ、無視したり遊ばないなどのように、極端に距離が遠すぎるのも犬にとってストレスとなります。
四六時中同じ室内で行動するのではなく、別室で過ごす時間をつくり、遊ぶときは思い切り遊ぶというメリハリのある関係性が理想的です。
社会化
周囲の環境の変化に順応しやすくする、社会化トレーニングもおすすめです。
環境の変化に順応しやすいようにトレーニングしておけば、ペットホテルというイレギュラーな環境でもストレスを抑えられるでしょう。
社会化トレーニングのポイントは、以下の4つです。
- 生活音に慣れさせる
- 年齢性別問わず、飼い主以外の人間に慣れさせる
- 散歩などで外の世界の音や環境に慣れさせる
- 可能であれば子犬のうちにほかの犬と遊ばせる
時間預かりの利用
ペットホテルに預ける前に、時間預かりを利用して慣れさせるのも良いでしょう。
ほとんどのペットホテルでは、ショートステイや日帰りなどが可能です。一時的に預かってもらうことで、愛犬もペットホテルの環境に慣れることができます。飼い主も実際にペットホテルのスタッフやサービスを確認できるので一石二鳥です。
預ける日まで日程に余裕があれば、複数回一時預かりを利用して、愛犬がペットホテルの環境やスタッフに慣れるようにしておきましょう。
愛犬が快適に過ごせるよう準備しよう
旅行を思い切り楽しむためにも、自分の留守中に愛犬のお世話を任せられる存在を確保しておくことは大切です。
「ペットホテルはかわいそう」と感じる飼い主もいますが、事前にしっかりリサーチし愛犬が快適に過ごせるよう準備をすることで、飼い主も愛犬も、安心して過ごすことができるでしょう。